2024.8.8
残業は、度を越さない程度の時間と日数であれば、それほど心身に悪影響を及ぼしません。むしろ、少しくらい残業したほうが、金銭面で助かるという人もいますし、働きがいがあるという人もいることでしょう。ただし、その残業する時間と日数が極端に長ければ、当然ながら体力を消耗し、体の不調が出てきます。人は、目に見えるものに注目しがちですが、実は体だけでなく、メンタル面にも不調が出ているかもしれません。何事も、一定の基準を超えるとバランスを崩してしまい、限界を迎えてしまいます。残業によって、そうしたメンタル面の不調を引き起こさないためにも、どのようなことを把握しておくと良いのでしょうか。
そもそも、「残業しないと終わらない」「自分がやらないと」という意識が過剰に働き、ついつい長時間残業をしてしまう人には、ある特徴があります。たとえば、責任感が強い人がそうです。上司から依頼された仕事や義務は、必ずやり切るという強い信念を持っており、特に真面目な性格の人に多いでしょう。頼まれると断れない人は、一人で仕事を抱えて残業せざるを得ない状況になってしまうこともあります。また、完璧主義で、一切の妥協を許さない人も、自分や他人の仕事に対して理想が高く、完璧を求めるあまりに残業してまで納得のいくものを仕上げようとしてしまいます。とはいえ、仕事に対する情熱はあっても自分の体は一つなので、働き過ぎは禁物です。そうした働きすぎてしまう人は、知らず知らずのうちに体力の限界を迎えていることも考えられます。はたまた、労働環境があまり良くなく、残業を強いられる職場で体を酷使している人もいるかもしれませんね。
どちらにせよ、働き過ぎで疲労を蓄積するのは、体だけではなく、メンタル面も注意が必要だということを把握しておいてください。実際に、残業や働き過ぎが直接メンタルに影響するとは言い切れませんが、極度の緊張とストレス状態が長時間続くことで、睡眠不足や食事時間の不規則に繋がります。そこから、メンタルバランスやホルモンバランスが崩れることが考えられます。メンタル面でいえば、うつ病のほか、最悪の事態で自殺のおそれもあるため、軽視してはいけません。朝起きれない、体がだるい、眠れない、やる気がでない、憂鬱になるといった精神的症状が現れ、それが長期間であればうつ病の可能性があります。慎重に受け止めて、ストレスだと感じているのであれば、働き過ぎな状況から抜け出す方法を考えたほうが良いでしょう。
いまは私のように、夫婦で共働きするご家庭も多く、人によっては男性と変わらない勤務日数・時間でガッツリ働く女性もいます。そうした方は立場上、残業しなければならないときもあり、特に繁忙期や決算期などは長期で残業が続くこともあるでしょう。仕事に家庭に育児にと、女性はいくつも抱えて両立させようとすることでオーバーワークになり、心身の負担になってしまうことが考えられます。
女性は、こうした過労によるストレスで自律神経やホルモンバランスが乱れ、生理不順といった体調に現れたり、月経前症候群(PMS)といったメンタルに現れたりします。特にPMSは、いまでこそ知られるようになった病気ですが、傍目から見るとただイライラしている人と捉えられやすく、ホルモンバランスの乱れが原因で精神的な症状が出ているとは判別できません。周りからの理解が得られない苛立ちと、残業による疲労のピークが重なり、悪循環となりかねないので注意が必要です。
こうした過労によるホルモンバランスの乱れは、肌トラブルや更年期症状を引き起こすこともあります。残業全てが悪影響を及ぼすというわけではありませんが、働き過ぎることでストレスやプレッシャーを過度に感じ、自律神経やホルモンバランスを崩してしまうため、心身に負担をかけず、家庭と両立できるよう働き方を工夫することが大切でしょう。