2015.11.14
残業ばかりの職場はブラック企業と言われがちですが、何故残業が悪いのかを追及すると、単純に気力体力がついていかない、休みが取れなくて自分や家族の生活に悪影響がある等個人的な理由が多いようです。
企業には必ず、就業時間が決まっています。これは雇用契約書を取り交わす時に必ず記載されていますね。大体が7時間から8時間労働が基本になっていると思います。それ以下の労働時間は、パート、アルバイトの雇用になる事がほとんどです。この企業で決めた就業時間内に仕事を終わらせて下さいというのが企業側ですが、残業の多い企業で働く従業員の大半は、就業時間内に終わる仕事量じゃないというのが言い分です。
確かに私自身も、人手不足で止むなく残業する事が多いです。しかし、毎日残業が続くと当然身体は疲れますし、頭の回転も鈍くなってくるのが現状です。これでは、効率の良い仕事が出来るはずがありません。そうなると、自らの仕事の効率を図るしかないと思います。でも、残業したら仕事は片付くものという考え方を当たり前にしてしまうと、就業時間の中で効率を上げる事を忘れてしまいがちです。これこそ残業が生み出す、能力低下の悪影響ではないでしょうか。
残業の毎日で疲れていても、やる気に満ち溢れた従業員を高評価しがちな企業はたくさんあります。確かに、自分の仕事を責任持って終わらせているという評価はあると思いますが、残業するのが当たり前な上司や先輩ばかりの企業は、自分の仕事が終わらないと言いながら、就業時間をとっくに過ぎた時間で会議や打ち合わせをしようと言い出します。
今は、共働きで子供がいる女性も多く働いています。私もそうですが、家に帰ってからやらなければならない事がたくさんある為に、自分の仕事は決められた就業時間内で頑張って片づけているにも関わらず、主任が忙しいから、利用者さんが時間内で仕事をさせてくれなかった等の言い訳で、夕方からミーティングになる事もしばしばあります。保育園のお迎えがあるからと参加を断ると、あの人は仕事する気が無い等と勝手にレッテルを貼られるのも現状です。皆それぞれの生活環境があるのに、残業を美徳化するあまりにその人の生活サイクルすら乱してしまう事も悪影響だと思います。
残業の少ない企業ももちろんあります。残業の少ない企業の特徴は、職場のコミュニケーションが円滑、仕事の手順を自分で決めることが出来る、仕事の進捗具合で目標や業務分担を柔軟に変更する等、やはり工夫が見られます。後はやはり助け合いの精神がある事が多いようです。就業時間内でたくさんの業務をこなすには他の人の協力が必要になります。自分の仕事が終われば良い、自分の事で精いっぱいとなると、どうしても仕事に歪みは出てきます。
この様に残業は知らず知らずにその人の能力低下や思考低下に繋がる事にもなります。残業ゼロとは言わないですが、残業するメリット、デメリットをきちんと把握して、皆が能力を高めて業務に携わる事が本来企業が求める事ではないでしょうか。